初心者ライダーの中には、暑い夏は半袖でツーリングに出かけたい
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに日本の夏は暑いですから、
いくらバイクで風を切って走っていても、半袖でも暑いくらいです。
夏や暖かい時期は、そうしてもライダーは肌の露出を多くしたくなるものです。
しかし体を守るという視点で考えた場合、露出の多さは考えものです。
というのは長袖を着るだけでも、事故のダメージは大きく変わるからです。
事故例
実際の事故例を考えてみましょう。
Aさんは、半袖でツーリングに出かけました。
広い下り道の右カーブで、時速は70キロほど出ていたそうです。
ほぼフルバンクに近い状態でカーブを曲がっていると、
突然対向車の荷台から荷物が目の前に落ちてきたそうです。
気づいた時には、転倒していました。
右足の右側、そして右ひじがアスファルトに強く擦り付けられます。
アスファルトはヤスリのようにAさんの右ひじを削ります。
また薄い素材の半袖シャツだったため、背中の半分以上がアスファルトにより擦過傷になりました。
結局、右ひじには全治1ヶ月の擦過傷ができ、背中には無数の擦過傷ができてしまいます。
ちなみに、ただの擦過傷でなく火傷も併発していたそうです。
回復した現在も、Aさんの右ひじには消えない傷跡が残っているそうです。
Bさんは、はみ出した対向車を避けようとして、転倒しました。
Bさんもやはり半袖だったそうです。
Bさんはガードレールの支柱に頭と体を強くぶつけてしまいました。
背骨骨折、腕には無数の擦過傷があったそうです。
結局Bさんは半身不随になってしまい、
現在は両親の介護を受けながら、寝たきりの生活を続けています。
しっかりとした装備を
こうした実例を考えてみると、防御面を考えて夏場でも
しっかりとした装備をすることが望ましいでしょう。
アスファルトは、転倒した際に容赦なく体を痛めつけるからです。
実は夏用のバイクスーツが販売されています。
夏用のバイクスーツは、メッシュ素材で構成されています。
メッシュ素材といっても、安全性は高い素材が使用されています。
もちろん肩やひじ、頚椎にプロテクターが入っていますし、
バイクスーツによっては胸にプロテクターが入っているものもあります。
お値段は20,000円前後から販売されています。
ライダーにとって一番怖いことは、頭と頚椎にダメージを負うことです。
頭はヘルメットで守るとしても、頚椎はバイクスーツで守るしかありません。
安全を買ったつもりで夏用のバイクスーツを購入し、
ツーリングに役立てることをおすすめします。