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ビューエルの歴史

ご紹介するのは、バイクメーカーの「ビューエル」です。
アメリカを生産の中心とする「ビューエル」は、ハーレー・ダビッドソンのエンジニアであり、レーシングライダーとしての顔も持つ「エリック・ビューエル」が、「RW750」というバイクを製作したことからスタートしました。
この「RW750」は、日本にもなじみのあるバイクで、フレームはエリック・ビューエルが製作したものですが、日本のバイクブランド「ヤマハTZ750」の2サイクルエンジンを改造したスペシャルエンジンを乗せた、「RZ750」というバイクを改良したもの、それがビューエルのスタートとなる2サイクル4気筒バイク「RW750」です。

ちなみに、RW750の前身、RZ750は販売されないモデルでしたが、レースにおいてはその速さが評判を呼びました。
ただ、残念ながらビューエルは1998年にハーレーの傘下ブランドとなりました。
ハーレーとエンジン部品を共通とし、ハーレーの工場でエンジンを製作しながらも、エンジンはビューエルのオリジナルのもので、その性能はハーレーのエンジン性能よりも素晴らしいものになっているといわれています。
その結果、ハーレーのスポーツスターシリーズ系のエンジンにビューエルの技術が使用され、ハーレーというブランドの底上げ効果はありましたが、やはりハーレーの傘下となったことは、ハーレーとのメンテナンスや販売網を共有したりと、ビューエルの独自性が薄れた気がして、ビューエルファンには寂しさを感じさせる出来事でした。

ビューエルのバイクの特徴

ビューエルのバイクを象徴する点としては、「エンジンの耐久性の高さ」「エンジンの力強さ」です。
ただし、空冷2気筒エンジンは、同排気量の他バイクメーカーのバイクと比較すると、やや出力に劣ります、もちろんエンジン自体はトルクフルだという評判で、乗っていて力強さ、楽しさを感じるエンジンです。
ですので、他のメーカーの設計・デザインとは異なる独創性・合理性をもって車体設計されています。
独創性・合理性・高いクオリティで車体とエンジンのバランスが保たれているので、いい意味で「変態バイク」と呼ばれることも多いビューエルのバイクは、独特の魅力を持っています。
ツーリング等の際に他の同排気量のバイクメーカーのバイクと並ぶと、その独自性は、はっきりとわかるのではないでしょうか。

ビューエルの現在

ただし、残念ながら2009年10月16日、ビューエルは生産中止が発表されました。
今現在は、ハーレーダビッドソンが撤退後、ビューエルの設立者、エリック・ビューエルは「エリック・ビューエル・レーシング」を設立し、2012年、インドのニューデリーのあるオートバイメーカー「ヒーロー・モトコープ」と技術提携後、ヒーロー社への株式譲渡によってヒーロー社傘下となっています。
オートバーレースが好きな方は、2014年、スーパーバイク世界選手権に参加したのもご存知ではないでしょうか。
波乱万丈な道を辿る「ビューエル」、今後もビューエルファンのために市販車のバイクの生産を続けて欲しいところですね。