エンジン停止前にする空ぶかしの意味とは?
昔からバイクに乗ってきた人であれば、バイク走行が終わってエンジンを停める時、一度アクセルをふかしてからエンジンを止める空ぶかしをする習慣が身に着いている方もいるかもしれません。
また、自分はしないとしても、仲間と一緒にツーリングに行った時などに空ぶかしをしている様子を見たことがあるかもしれません。
実はこの空ぶかしには意味があって、エンジンを守るために大事なアクションだとされてきたのです。
昔のバイクはガソリンに着火するシステムが今ほど優秀ではなかったため、点火タイミングがずれることがありました。
そのため空ぶかしをしないでエンジンを止めると、スパークプラグにガソリンがかぶったり、オイルやカーボンなどの汚れが付いたりしたまま停止してしまことがありました。
スパークプラグにガソリンがかかった状態だと、次にエンジンをスタートする時に点火がうまくいかずエンジンがかからなかったり、かかったとしても最初の勢いが悪くなったりしてしまいます。
こうしたプラグにかかった状態になってしまうと、プラグを一度取ってから洗浄したり、しばらく置いて完全に乾いてからエンジンをかけたりしないといけません。
そのような面倒な状態になるのを防ぐために、エンジンを落とす前に空ぶかしをすることで、ガソリンを燃焼させてしまう必要があったのです。
今のバイクに空ぶかしは必要ない
このような空ぶかしが必要なバイクというのは、70年代くらいに製造されたモデルまでの話です。
今ではスパークプラグの性能や燃料噴射の制御システムの向上などがあって、プラグかぶりが生じるリスクはかなり減っています。
また、たとえプラグにカーボンなどの汚れが付いても、プラグ自体の温度が上がることで汚れが焼けてなくなるようになっています。
そのため、80年代より後のモデルであればエンジンを切る時の空ぶかしはしなくても良いのです。
ついつい古いバイクを乗ってきたライダーからすると、習慣ともなっている空ぶかしをしたくなるかもしれません。
しかし、不要な空ぶかしはガソリンの無駄遣いですし、騒音が大きく出てしまうので近所迷惑にもなりかねません。
排ガスによる臭いや公害といった問題も考えられますので、不要な行為はやめた方が良いでしょう。
最近のバイクは空ぶかしがいらないと言っても、スパークプラグはある種の消耗品ですので、寿命が来る前に交換していく必要があります。
乗り方やプラグ自体の違いによって寿命は異なりますが、通常は3,000~5,000kmくらいの走行距離で交換すると良いでしょう。
プラグはエンジンの調子に直接かかわるパーツですので、定期的なメンテナンスで交換するということを覚えておくと、いつも良い状態でバイクに乗れるでしょう。